2021年4月から建築物省エネ法が改正施行

2021年06月07日

夏は涼しくて、冬は暖かい家に住みたいと思いませんか?

おうち時間が増えたことで、室内の温度差や湿度についてのお悩みを持つ方も増えています。ただ、エアコンなど冷暖房器具の導入は簡単ですが、電気代など別の問題が出てきてしまいます。

そこでぜひ検討していただきたいのが「省エネ住宅」です。最低限の冷暖房で、季節にあった過ごしやすい環境を整えられることに加え、エネルギー量を抑えられるだけでなく、逆にエネルギーを作ることもできるのが省エネ住宅の大きなメリットといえます。

さらに、球温暖化防止のためのCO2削減対策は、今私たちの住む住宅とも関係する可能性が出てきました。そこで知っておきたい省エネ住宅と建築物省エネ法の関係を詳しくご紹介します。

地球温暖化対策のCO2削減は住宅にも適用

「建築物省エネ法」は、地球温暖化対策の一環として、2015年7月に制定されました。「2030年度の温室効果ガス排出量を、2013年度の水準から26%削減する」というパリ協定が制定され、その目標を達成するために、地球温暖化の大きな原因であるCO2を削減する必要があったのです。

たとえば家庭から排出されるCO2のうち、冷暖房や給湯の占める割合は31.4%と、3割以上を占めています。この部分のパーセンテージを下げることで、CO2を削減する効果は、かなり期待できるでしょう。

出典:環境省「住宅・建築物に係る二酸化炭素の排出量及び削減量について(案)」
URL:https://www.env.go.jp/council/06earth/y0614-03/mat02.pdf

また、東日本大震災以降、日本のエネルギー需給はひっ迫しており、エネルギー消費量を減らすことは、日本のエネルギー問題を解決するためにも欠かせません。エネルギー消費量を減らすためには、ビルや施設・住宅などの省エネ性能を高め、エネルギーをできるだけ使わない生活をする必要があります。

このような背景によって生まれた「建築物省エネ法」ですが、これまでは導入段階として、住宅以外の建物のみに適用されてきました。そしてその後、建築物省エネ法は2019年5月に改正され、2021年4月に施行されました。

今回の改正は新築限定なので、中古住宅には直接関係ありませんが、住宅の資産価値の面では、大いに影響を及ぼすと考えられます。

それが今回の改正では、注文住宅の性能についても、建築士から建築主(施主)に対する説明が義務化されたのです。

建築主に省エネの必要性を理解してもらうことで、住宅の省エネ化に取り組んでもらおうというのが、法改正のねらいです。今回の改正によって、地球温暖化におけるCO2削減対策は、いよいよ住宅にも適用されるようになったと言えるでしょう。

延床面積300㎡以上は届出義務化、300㎡未満は建築士に説明義務

これまで住宅の省エネ性能向上に関して、建築主の努力義務は求められていましたが、具体的なことは指示されていませんでした。

今回の法改正によって、住宅を含む300㎡以上の建築物を新築する際には、省エネ計画の届出を所管行政庁に提出することが義務化されました。もし不適合と判断された場合は、所管行政庁が変更の指示を出すこともできます。

また300㎡未満の住宅については、新築の設計の際に、建築士から建築主に対して省エネ基準に適合しているか否かの説明を行うことが義務化されました。

たとえば住宅建築の事前相談の際には、建築士が建築主に対して、省エネ住宅の必要性や効果を伝えます。そして設計段階では、建築士が建物の省エネ性能を計算し、省エネ基準に適合しているかどうかを評価するという流れです。

「省エネ」住宅のメリット

夏涼しく、冬暖かい快適な生活が送れる

では、省エネ住宅は、持ち主にとっていったいどんなメリットがあるのでしょうか?
省エネ住宅とは、高い気密性・断熱性によって冷暖房のエネルギーを減らしたり、太陽光発電などによってエネルギーを自給したりできる住宅のこと。住宅の省エネ性能を高めることは、地球温暖化やエネルギー問題を解決するだけでなく、住む人にとってもさまざまなメリットをもたらします。

まず、窓を二重にしたり、壁や天井に断熱材を入れて気密性・断熱性を高めたりすれば、夏涼しく冬暖かい快適な生活を送ることができます。室内の温度差が少ないので、急な温度変化によるヒートショックも、防ぐことができるでしょう。

建物の腐食や劣化を抑えられる

さらに高性能の換気システムを採用することで、換気が行き届いた高気密空間となり、建物の腐食や劣化、結露によるカビの発生を抑えることができます。

また、省エネ住宅の大きなメリットとして、光熱費の削減も挙げられます。室内を快適温度に保てるので、エアコンなどの冷暖房の使用量が減り、太陽光発電を利用すれば使用する電気の一部を自家発電でまかなうこともできます。

環境にもお財布にも優しい生活が実現するので、より質の高い生活を送れるでしょう。

中古住宅を購入する場合も「省エネ」に注目!

長期にわたって資産価値が下がらない省エネ住宅

新築住宅だけでなく、中古住宅を購入する際にも、「省エネ」は注目すべき要素です。「中古住宅は建築物省エネ法の対象から除外されているから、自分には関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

中古住宅を購入する際も、省エネ住宅を選ぶことは、大きなメリットがあります。上記でお伝えしたように、省エネ住宅は耐久性が高いため、長期にわたって資産価値が下がりません。資産価値の下がらない住まいを選ぶことは、中古住宅を選ぶ上でとても大きなポイントです。

購入した中古住宅を売却する際は、目に見えない断熱部分の性能を数値化することで、より高い価格で売却できるようになるでしょう。

さまざまな観点から、省エネ住宅の購入がおすすめ

このように、経済面や健康面、資産価値などさまざまな観点から、中古でも「省エネ」住宅を購入することをおすすめします。

中古住宅のご購入をお考えの方は、和歌山中古住宅販売センターにお気軽にご相談ください。当社は創業25年の実績があり、地元・和歌山の省エネ中古住宅物件を、豊富にご用意しております。

地域密着企業ならではの親身な対応を強みに、お客様一人ひとりのご希望に沿った物件を、ご紹介させていただきます。

  |