中古住宅の購入を検討されている方に、ぜひ知っておいていただきたいのが「すまい給付金」です。
住宅ローン控除などに比べて認知度は低いのですが、すまい給付金制度を活用することで「最大50万円」の給付金が支給されるので、この機会に住宅を購入するのもひとつの選択かもしれません。
本稿では、すまい給付金を活用するための方法や、給付の条件などについて解説したいと思います。
すまい給付金とは
すまい給付金とは、消費税の引上げによる住宅購入者の負担増を緩和するために設けられた制度で、収入などの一定基準を満たす人に支給されます。
住宅購入後に給付金の申請をすると、審査に通れば、数ヶ月後に最大50万円が給付金として支払われることになります。
すまい給付金は、住宅ローン控除のように所得税から控除されるのではなく、住宅購入者の口座に一括で振り込まれる「1回限りの給付金」です。住宅購入後は何かと物入りなので、現金が入金されると大いに助かりますね。
「すまい給付金」の制度は2014年4月から始まっており、実施期間は2021年12月31日までです。中古住宅をお考えの方にとっては、お得に住宅を購入するチャンスといえるでしょう。
中古住宅におけるすまい給付金の対象条件は?
中古住宅における「すまい給付金」の対象となるのは、売主が宅地建物取引業者である中古住宅(中古再販住宅)のみです。
「宅地建物取引業者」とは、宅地建物取引業法という法律に基づいて業務を行う業者のことで、国土交通省または都道府県知事から免許を交付されることで営業しています。
中古住宅の売買は個人が売主となることも多いのですが、この場合は消費税が課税されないため、「すまい給付金」の対象にはならないので気をつけましょう。
また、住宅ローンを利用する場合と利用しない場合では、給付の対象となる条件が異なります。詳しくは下記をご覧ください。
住宅ローンがある場合
住宅ローンがある場合は、床面積50㎡以上の自ら居住する住宅で、売買時などに第三者の現場検査を受け、一定の耐震基準や品質が確認された住宅であることが条件となります。
「既存住宅売買瑕疵保険」へ加入した住宅や、「既存住宅性能表示制度」を利用した耐震等級1以上の住宅、建設後10年以内で「住宅瑕疵担保責任保険」に加入している(または「建設住宅性能表示」を利用している)住宅などが、これにあたります。
住宅ローンがない場合
中古住宅を購入する人の中には、住宅ローンを利用せずに現金で購入する人もいます。
その場合は、上記の「住宅ローンがある場合」と同じ条件を満たした上で、住宅取得者の年齢が「50歳以上」(引き渡しの年の12月31日時点)であることが条件となります。
給付される金額
すまい給付金の給付額は、「給付基礎額×持分割合」で決まります。
「給付基礎額」は、収入額の目安(都道府県民税の所得割額)によって決まります。所得割額は、市区町村が発行する課税証明書に記載された所得割額を見れば確認できます。
「持分割合」は、住宅を単独の名義ではなく、共有名義で購入した場合にのみ関係してきます。
持分割合は、住宅の購入額に対して「誰がいくら払ったか?」によって決まります。
たとえば親子二世帯で4,000万円の中古住宅を購入し、親が1,200万円の頭金を払い、子が2,800万円の住宅ローンを組んだとすると、「親3割・子7割」といったように持分が分かれます。
そのため、すまい給付金の計算をするときも、それぞれに分けて計算することになります。持分割合については、建物の登記事項証明書で確認することができます(登記事項証明書は法務局で入手できます)。
自分が給付金の支給対象かどうか、いくらぐらいもらえるのかを大まかに知るためには、国土交通省の「すまい給付金シミュレーション」を活用するのがオススメです。
すまい給付金シミュレーション
http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html
すまい給付金受領までの流れ
すまい給付金を申請してから受け取るまでの方法を、流れに沿って解説しましょう。
- 1. 購入した住宅に入居
- 2. 必要書類の確認・記入
- 3. 必要書類の提出
- 4. すまい給付事務局による審査
- 5. 給付金受領
以上の5つのステップに分けて詳しく説明していきます。
購入した住宅に入居
すまい給付金の申請は、購入した住居に入居した後に行う必要があります。給付金の申請期限は、「引き渡しから1年3ヶ月以内」です。入居後すぐに申請することもできます。
新居に引っ越した後はバタバタと忙しいので、つい申請が先延ばしになり、気が付いたら期限が過ぎていたということも少なくありません。そのようなことにならないよう、新居に引っ越す前からスケジュール表に記入しておくなどして、申請を忘れないようにしましょう。
必要書類の確認・記入
すまい給付金を申請するにあたっては、下記の必要書類を入手する必要があります。
- 給付申請書(原本)
- 不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本(原本)
- 住民票の写し(原本)
- 個人住民税の課税証明書(非課税証明書)(原本)
- 工事請負契約書または不動産売買契約書(コピー)
- 住宅取得に係る金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約書)(コピー)
- 給付金受取口座を確認できる書類(通帳等)(コピー)
- 住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書、建設住宅性能評価書、住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書の中から1つ(いずれも原本)
「こんなにたくさん?」と、驚いた人も、いるかもしれません。たしかに、書類の準備が面倒なのが、すまい給付金の難点といえます(代行も可能です)。
申請書類に不備や抜けがあると、給付が延びてしまうので、早めに準備し、完璧な状態で申請できるようにしましょう。
「給付金申請書」は、単独名義の場合は1通で大丈夫ですが、共有名義の場合は所有者ごとに申請するので、複数の申請書が必要です。
給付金申請書は、「すまい給付金申請窓口」または「すまい給付金制度のホームページ」から入手できます。申請窓口に連絡をして書類を郵送してもらうこともできますし、ホームページから申請書をダウンロードすることもできます。
給付申請書は「新築住宅」または「中古住宅」に分かれているので、中古住宅を購入した人は、必ず「中古住宅」の書類を選びましょう。
また、住宅ローンを組んだ人は「中古住宅」、現金で購入した人は「現金」の申請書を選び、所有者ご本人が申請する場合は「本人受領」、代理人に任せる場合は「代理受領」の申請書を選びます。何かあったときのために、申請書類はコピーを取って保管しておくのがベストです。
必要書類の提出
すまい給付金の申請に必要な書類が用意できたら、申請書を提出します。提出する際は、「すまい給付金事務局」に郵送する方法と、窓口に持参する方法があります。
具体的な提出方法は、国土交通省の「すまい給付金公式サイト」を参照しましょう。
郵送による必要書類の提出について
http://sumai-kyufu.jp/application/send/post.html
窓口による必要書類の提出について
http://sumai-kyufu.jp/application/send/index.php
すまい給付事務局による審査
すまい給付金申請書を提出すると、すまい給付金事務局が、申請書類の不備や条件を満たしているかなどを審査します。
書類の提出から給付金の振り込みまでは、概ね2~3ヶ月ほどかかります。新型コロナウイルス感染症の状況次第では、さらに長くかかる場合もあるので、長くかかることを想定して給付を待った方がいいでしょう。
給付金受領
無事審査を通過した場合は、給付金が指定口座に支払われ、給付金受領となります。
すまい給付金を活用した中古住宅の購入はお早めに
すまい給付金の内容や申請方法についてご紹介しましたが、いかがでしたか?最大50万円の給付が受けられることや、給付金の活用には期限があることなどについて、ご理解いただけたかと思います。
すまい給付金を活用した中古住宅の購入をお考えなら、申請が間に合わなくならないよう、早めに進めておくことをおすすめします。中古住宅購入のことでお困りの場合は、和歌山中古住宅販売センターに、お気軽にご相談ください。
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